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街路樹の剪定
緑が大切か交通安全が大切か?
都市の緑として大切な街路樹ですが、信号が見えなくなってしまうために枝が切り落とされることもしばしばあります。
信号が見えるように枝を切るべきでしょうか。それとも街の緑を守るた めに枝を残すべきでしょうか。

私の講義(都市緑化技術論)の受講生に聞いてみました。77名からの回答を得られました。
緑を守るために枝を切らずにおくべきとの回答はありませんでした。
大多数の意見は枝を切るべき、あるいは枝を切るのは仕方がないというものでした。
その中には、伐採すべきとの意見から、全体的に形を整えるなどの記述までバリエーションがありました。
別の場所に移植するという案や、切った木を使って別のものにする(オブジェクトや椅子など)など、樹木を他の方法で活かす案もありました。
信号機の位置をずらすという案も2人から出てきました。
私が欲しかった答は、限られた選択枝の中から正解を選ぶことではなく、問題解決のための新しい案を考えてくれることです。緑が大切か、交通安全が大切かという2者択一ではなく、何とか両立することはできないかと考えてほしいです。
だいぶ昔のことになりますが、街路樹を大きく育てたいと考えていた豊橋市の緑化担当者は信号機との競合という問題にぶつかりました。市道において街路樹は市の管理、信号機は県の管理です。市役所は県警に掛け合った末に、市の緑化の予算を使って県警管理の信号機を改造し、アームを伸ばしてもらうことにしました。その後新たに信号機を設置する時は、初めから県の予算でアームの長い信号機を作ってくれることになりました。
街路樹剪定の理由
街路樹を剪定する理由には様々なことがあります。それは大きく2つに分けることができます。
一つは、形を整える、病虫害の対策など、樹木をより良く育てるためです。
もう一方は、電線や信号機との競合、看板が見えない、落葉の問題など、樹木にとっては好ましくない、ヒトの都合によるものです。
樹木にとって不都合な剪定はできるだけ避けられるように知恵を絞りたいものです。
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